特定エリアにおける防塵
以下は、発生した粉塵を集塵機で制御できる、鉱山や採石場の代表的な作業エリアです。
- 鉄道用ダンプまたはダンプトラック
- クラッシャー
- スクリーン
- コンベヤーベルトの搬送ポイント
- サイロまたはビンへの充填
- 鉄道、はしけ、トラックなどへの積み込み
実践的な粉塵捕集のガイドライン
鉱業や採石場の防塵における長年の経験をもとに、重要ポイントを多数示しています。
優れた設計と装置の選定は不可欠
設計や選定が十分でないと、集塵機の性能がすぐに不十分になったり、短い期間で低下したりします。 他の業界での用途と比較して、効果的な集塵機とそうでない集塵機を選定するのは極めて困難です。
物質が空気中に落ちる場所であれば、どこでも粉塵は発生する
最もわかりやすい粉塵の発生源は、スクリーンやクラッシャーからのコンベヤー搬送ポイントやフィードポイントのように思われがちです。 しかし、スクリーンからのオーバーサイズのフィードアウトや、大きな製品をビンに移す際にも、多くの粉塵が発生します。
予算上の制約も重要なため、大規模に誤った対策を取るよりは、局所的に適切な対策を取るほうが良い結果につながります。
集塵機の理念: ソース集塵または中央集塵
防塵を鉱山や採石場に適用するには、2通りの基本戦略があります。ソース集塵(集塵機を粉塵の発生源に置くことで、捕集した粉塵をプロセス流に直接戻せる)と中央集塵(中心位置に集塵機を設置し、粉塵を含む空気を集塵機にダクトで送り、別のプロセス流として排出)です。
ソース集塵には、次のような運用上のメリットがあります。
- 必要なダクト、ホッパー、スクリューコンベヤー、ロータリーバルブが少なくて済むため、資本コストを削減できます。
- ブロックやブリッジが発生するようなダクトやホッパーの使用が少ないため、メンテナンスの問題が少なくてすみます。 ホッパーの数が少ないため、メンテナンスを必要とするホッパー排出装置が少なくてすみます。
- 1台のユニットがシャットダウンしても、1つのエリアで一時的に排出量が増加するだけで、工場全体のシャットダウンが必要になることはほとんどありません。
集塵に関する留意事項
採鉱や採石用途で中央集塵機を選定する場合には、次の点を考慮する必要があります。
- 鉱山や採石場には研磨性のある粉塵が多数含まれており、フィルターの損傷を防ぐためには、粒子がフィルターメディアに与える影響を考慮する必要があります。 ここで考慮すべきことは、流入空気の速度、粉塵分布、集塵機内の気流パターンです。
- 粉塵の除去と廃棄には、ブロック、機器の摩耗、二次的なダスト払い落とし、メンテナンスと資材の取り扱いにかかるコストの増大を避けるため、慎重な検討が求められます。
ソース集塵システムはホッパーやダクトをほとんど使用しないため、容易に利用できるかもしれませんが、 次の点を検討する必要があります。
- 通常、集塵機は粉塵の発生源付近に設置されているため、粉塵に含まれる水分や油分に注意が必要です。こうした成分は、フィルターメディアにトラブルを発生させる可能性があります。
- フィルターの摩耗は通常問題になりませんが、ソース集塵機をビンのベントに使用している場合は、集塵機をインレットからできるだけ離し、摩耗や不要な高粉塵捕集を防止してください。