代替エネルギー用フィルトレーションソリューション

水素燃料は油、水、ガス、硫黄化合物で汚染される場合があります。 燃料電池を確実に保護するには、車両にフィルターを装備することが極めて重要です。

こうしたニーズに対応するため、ドナルドソンは高圧燃料フィルター（420 barまで）と低圧燃料フィルター（25 bar以下）をご提供しています。

燃料電池が機能するには空気が必要であり、その純度は燃料電池の性能と寿命に大きく影響します。 燃料電池の空気極に使われる一般的なフィルターメディアは、活性炭、酸・塩基層、ダストフィルター層といった複数の層で構成されています。

ドナルドソンは粉塵が発生する環境に革新的なソリューションを提供してきた100年以上の経験を持ち、その専門知識を燃料電池のカソード（空気極）フィルター製品に応用しています。

提供可能な製品：

• 専用エレメント
• フルカスタマイズ
• カタログ製品 
• ケミカルフィルトレーションのみ

液状水はいくつかの場面において、燃料電池に難題をもたらす場合があります。

• 吸気フィルターはできるだけ乾燥した状態を保つことが望ましいため、空気が吸気フィルターに到達する前にあらゆる種類の水分を除去する必要があります。
  
  
• 高い性能が求められる用途では、燃料電池をターボチャージャーで昇圧することもあります。 このような状況では、排気装置の高速タービンを液滴から保護する必要があります。
  
  
• 用途によっては、排気管からの液状水の排出を制御する必要があります。

プロトン交換膜燃料電池はパーフルオロスルホン酸（PFSA）アイオノマーを使用しています。このアイオノマーは高湿度にさらされると膨張し、湿度が低くなると収縮します。 この膨張と収縮がアイオノマーに機械的応力を与え、結果として破損を引き起こすため、高性能なPEMシステムには補強が必要です。

延伸ポリテトラフルオロエチレン（ePTFE）は、機械的強度、耐薬品性、高い空隙率を備えており、アイオノマーの補強に理想的な材料です。 ePTFE骨格は、マイクロスケールの機械的耐久性を確保するうえで重要な役割を持ち、燃料電池スタックの設計に不可欠な要素です。

燃料電池スタックは侵入防止構造のハウジングに格納されますが、このハウジングは燃料電池を保護するため密閉する必要があります。 これを実現するには、メンブレンベントを利用して筐体に通気性を持たせると同時に、汚れや湿気が燃料電池周辺に侵入するのを防ぎます。

ドナルドソンのTetratex®メンブレンは、燃料電池のハウジングに耐久性と通気性を確保するソリューションを提供します。 ハウジングに直接組み込んで、特殊な用途のニーズを満たすベントアセンブリを作成し、燃料電池スタックの保護と通気の両方を実現します。

燃料電池用メンブレンの湿度は、燃料電池内のアイオノマーの最適な動作条件を維持するうえで極めて重要な要素です。 燃料電池が効率的に機能するには、空気中の湿度が高く安定していることが条件となります。 

加湿装置は、排気ガス中の水分を燃料電池に入る手前で吸気流に移動させ、燃料電池が最も良い状態で作動する適切な湿度を確保します。

プロトン交換膜（PEM）燃料電池に使われる冷却水は、燃料電池の温度調節と廃熱除去において重要な役割を果たします。 最適な性能を確保するには、冷却水の誘電率が低いことと、絶縁性を維持できることが必要です。

時間が経つにつれて、イオンがバイポーラプレートやラジエーターといった冷却回路部品に使用されている材料から冷却水中に移動し、導電率が高くなることがあります。  これに対抗するため、冷却水をイオン交換樹脂に通してイオンを捕捉しすることで、冷却水の絶縁状態を維持します。
 
さらに、大粒子がバイポーラプレートの流路を塞がないようにするため、同じハウジングにスクリーンを組み込んでいます。