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フィルトレーション: 上質なワインの目に見えない必須条件

業界: ワイン

問題: 慎重にダブルフィルタリングを行わないと、一連の細菌によって、ボトリングされたワインの品質、風味、個性、香りに悪影響を与える可能性があります。

解決策: ドナルドソンのLifeTec™フィルターエレメントは、同等のフィルターと比較してメディアが20%多く、ねじれに耐え、高流量下でも変形しない頑丈なトライアングル設計となっています。

ワイナリーには2段階プロセスの使用をお勧め

ワイン醸造の分野では、ボトルに何が「入っているか」だけが重要なわけではありません。 何が「入っていないか」も重要なのです。 醸造コンサルタントは、不適切な微生物が最終のボトリング工程に侵入してしまった場合、多大な損害をもたらすことになると話します。 たとえば、アセトバクターはワインを酢に変えてしまいますし、発酵後に残った残留酵母は、残留糖分を含むワインで再発酵を引き起こし、意図しない炭酸化を引き起こす可能性があります。

「ある量のワインに砂糖が残っている状態で、すべての細菌、特に酵母菌をしっかりと除去しないと、ワインはボトル内で再発酵してしまう可能性があります」とミネソタ大学のエノロジー(ワイン醸造)専門家であり、アッパーミッドウェスト(米国中西部の北部)全域でワイナリーのコンサルタントを勤めるDrew Horton氏は言います。 「ワインが泡立ったり濁ったり、コルクが押し上げられたり、最悪の場合、店頭でボトルが爆発したりするような大惨事につながります」

Horton氏は、ワインメーカーに適切なフィルトレーション技術を学ぶよう強く勧めています。 ワインに残留砂糖が含まれておらず、ワイナリーが完全に無菌状態でない限り、彼はダブルフィルタリングプロセスの採用を提唱します。 これを実践していないワイナリーは非常に稀だとHorton氏は言います。

「ワインのラベルに無濾過と書かれている場合、ワイナリーは最高にクリーンな果実を使用していること、処理基準が非常に高く、ワインに残留糖分がなく、リンゴ酸のほとんどが乳酸に変換されていることです。」とHorton氏は続けます。 「こうした状況であれば、ワインメーカーはフィルトレーションせずにボトリングを行うかもしれません」

歴史のあるワイナリーはフィルタリングのベテランです。 しかし、醸造の歴史が浅い地域では、経験の少ない小規模事業者がそのコツを習得する必要があり、その先には険しい道が待ち受けています。 Horton氏によると、多くの醸造家は「公称」フィルタリングのみを行い、2段階目の「絶対的な」ステップの必要性を認識していません。

「ボトリング前にワインが適切に処理され、フィルタリングされていないと、ボトルワインの品質、風味、個性、香りに悪影響を及ぼす可能性のある細菌が多数入り込みます」

著名なワイナリーの多くは、ドライ(辛口)またはオフドライの白ブドウ品種の残留糖分の基準を2%未満にしており、通常は業界の「ドライ」の定義である1%未満を実現しています。 対照的に、残留糖分が3~5%のワインは、人口の多い農村部の北部の州の多くでよく見られます。この地域の人たちはより甘いワインを好む傾向があり、醸造家はショートシーズンで収穫されたブドウの高い酸味を抑える必要があります。 

"だからこそ、ワイナリーはフィルトレーションにこだわるのです"

残留糖分は非常に重要なブレンド成分ですが、発酵後に酵母が残っていると、ボトリング後6~9か月経過した後でも製品に影響を及ぼす可能性があります。

だからこそ、ワイナリーはフィルトレーションにこだわる必要があるのです。 多くのワイン生産者が、生産年度中(ワインをオーク樽で熟成させ、低温安定化させた後)にも定期的に、Horton氏が推奨する2段階法を実践しています。 まず、公称の「デプス」フィルターでワインを一括フィルタリングし、サイズが0.6~0.8ミクロンの範囲にあるすべての酵母とその他の対象微生物の95~98%を除去します。 次に、調整用の砂糖(バランシングシュガー)を追加する場合は、最後の絶対「メンブレン」フィルターでワインをもう一度一括フィルタリングします。 そのメンブレンの細孔も0.45ミクロンですが、この薄いPES(ポリエーテルスルホン)メンブレンは、公称のフィルターシートを通過してしまう可能性のある残留汚染物質の最後の2~5%を捕捉します。

ヨーロッパでは長年にわたり、ミネソタ州に本社を置くドナルドソン社が製造したメンブレンフィルターがワイン製造に使用されてきました。 現在、フィルトレーション製品を販売するドナルドソンの新製品、LifeTec絶対フィルターが同市場で使用されており、これが今、米国のワイン製造市場でも拡がり始めています。 LifeTecフィルターエレメントは、同等のフィルターと比較してメディアが20%多く、ねじれに耐え、高い流量でも変形しない頑丈なトライアングル設計となっています。 ドナルドソンは、一般家庭でよく知られている著名ブランドを持つ世界最大級の飲料メーカー複数社と協力してこの技術を開発しました。

「対象となる微生物は、用途によって常に異なります」と、ドナルドソンのプロセスフィルトレーション主任エンジニアであるColter Marcksは言います。 

「ビールでは、酵母菌がなくなるのを確認するのではなく、腐敗菌が定着しないことを確認します。 ビールというのは、数あるさまざまな生物にとって絶好の餌となり得る甘い溶液です。ですから、汚染を起こす微生物をすべて排除し、望ましいものだけを通過させることが非常に重要となります」

LifeTecフィルターは、1回のフィルトレーションステップで微生物を除去できるように設計されています。 しかし、プレフィルトレーションとはコスト節約そのものだ、とHorton氏は言います。

「公称フィルトレーションでは、ワインの量と流量にもよりますが、12~80枚のフィルターシートを使用します。これらのフィルターのコストは1ドルまたは2ドルです」と彼は言います。 「一方、絶対フィルターカートリッジは300ドルになることもあります。 頻繁に取り付け、取り外しを繰り返した場合、無駄な費用を支出することになります。 どんなツールでもそうですが、使用頻度が低いほど長持ちします。」

Marcksも、2段階のフィルタリングステップが1段階のプロセスよりも優れていると考えています。 「1段階目のフィルターが汚染物質の大部分を捕捉し、最終フィルターがすぐに目詰まりするのを防止するというのがポイントです」と彼は言います。 「メンブレンフィルターは高価なため、1つ目のフィルターで大半の作業を済ませるようにします。」

"丁寧に2段階のフィルトレーションとテストを行うのは大変なように聞こえますが、この工程をスキップすると、瞬く間に時間やコストが増大する可能性があります。"

LifeTecフィルターは、再利用が可能で過酷なスチーム滅菌に耐えられるような頑丈なケージ構造となっており、長期的なコスト節約が可能な設計になっているとMarcksは言います。 それでもなお、Horton氏はすべてのメンブレンフィルターについて漏れがないよう、しっかりモニタリングを行うよう推奨しています。

「クリーンなワインをメンブレンフィルターに通すことはできますが、圧力が強かったり、ワインの汚れの量が多かったりで、なぜかメンブレンが破れてしまうことがあります」とトHorton氏は言います。 「メンブレンフィルターは、使用前と使用後に必ずテストしてください。 より徹底するには、ワインを微生物学のラボに送り、シャーレにワインを入れて観察するよう依頼することもできます。」

ワイナリーで20年間働いてきたHorton氏は、「フィルタリングをケチッてはいけません」と警告しています。 丁寧に2段階のフィルトレーションとテストを行うのは大変なように聞こえますが、この工程をスキップすると、時間やコストが瞬く間に増大する可能性があります。

「一度でも、ワイナリーで働いた経験があり、200ケースものワインが濁っていたり、再発酵したりしていたために、すべてのコルクを引き抜き、ワインをタンクに戻し、再び安定化させ、再度フィルタリングを実施し、ボトリングをやり直すために、余計な人員を割いた経験がある人ならば、二度と起こらないようにしようと誓うことでしょう」と彼は回想します。

この夏に催された北部の各州にまたがるワイナリーのワイン試飲会の来場者たちは、舞台裏で行われているフィルトレーションについてはほとんど知りません。 しかし、ワイナリーのオーナーたちは、北部気候の果実の恵みを最大限に活かす重要な鍵がプロセスフィルターであることを知っています。

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