油圧フィルトレーションメディアの技術

2021年に業界承認されたISO 23369規格により、油圧フィルトレーションのラボテストでは、実稼働環境におけるフィルター稼働条件の変化、つまり「循環流状態」の流量をより忠実に再現できるようになりました。 油圧フィルトレーションの試験規格がこのように進化したことで、新たなテクノロジーソリューションへの扉が開かれました。 その新しいテクノロジーソリューションが、Alpha-Webメディアです。 Alpha-Webメディアのファインファイバー層は、循環流状態における高いフィルトレーション効率を実現しつつ、流量の変化に伴って捕捉した粒子が脱落する力学的現象を最小限に抑えます。 Alpha-Webは、油圧機器の保護に飛躍的な進歩をもたらします。

今日の油圧システムや油圧オイルの多くは、耐火性、生分解性、電気断熱性など、化学的または熱的適合性の向上が求められています。 ドナルドソンの高性能DT合成メディアは、これらの課題の多くに対して非常に効果的なソリューションとなり、リン酸エステルや水-グリコール液での使用に最適です。

DT合成メディア等級は、ホウケイ酸ガラス繊維をエポキシ系樹脂で結合したマトリックスを使用しており、 この方法は、さまざまな油圧用途の耐薬品性に非常に効果的なソリューションであることを、ドナルドソンのフィルターメディアの科学者が発見したのです。

Synteq XPメディアを使用したドナルドソンの油圧フィルターは、非常に高いレベルの汚染物質捕捉能力を備えています。 この画期的なフィルターメディアによって、システムコンポーネントの保護オプションを強化することで、油圧フィルトレーションの性能をより高いレベルに引き上げることができます。 これらのオプションには、最適な保護を実現するための汚染物質捕捉効率の向上や、フィルター寿命の延長（従来のフィルターメディアの最大3倍）などが含まれます。 また、Synteq XPメディアは、競合他社製品よりも常に低い圧力損失を提供し、コールドスタート時のオイルフローを増加させ、バイパスへの依存を低減させることができます。 また、システム効率の向上、エネルギー損失の低減、フィルターの長寿命化も実現します。

予測可能なフィルトレーション効率を備えたSynteqメディアは、特定の汚染物質を除去し、ダスト捕集容量を最大化します。 合成ファイバーは滑らかで丸みを帯びており、流れに対する抵抗が少ないのが特徴です。 その一貫した形状により、メディアマット全体のファイバーサイズと分布パターンを制御し、最も滑らかで阻害の少ない流体フローを作り出します。 ファイバーの形状を一定にすることで、汚染物質を捕らえる表面積と特定の細孔径を最大限に制御することができます。 合成メディアは流体に対する抵抗が小さいため、合成流体、水グリコール、水性/油性乳剤、高含水率流体（HWCF）、石油系流体などに適しています。

セルロースメディアのファイバーは、実は木材ファイバーであり、微細で形も大きさも不規則、樹脂によって結合されています。 セルロースはベータ値が低いことが多く、メディア中の細孔が小さいため、流動抵抗が大きくなり、圧力損失が高くなります。 セルロースはさまざまな石油系流体に有効なフィルトレーション性能を発揮しますが、用途によっては合成ファイバーのフィルトレーションメディアに比べ、フィルトレーション性能が劣る場合があります。

吸水メディアにより、油圧システム内の遊離水を迅速かつ効果的に除去します。 吸水親和性の高い高吸水性ポリマー技術により、石油系流体で問題となる水質汚染を軽減することができます。

ワイヤメッシュメディアは、ステンレス鋼、エポキシ樹脂でコーティングされたワイヤメッシュで構成され、複数の等級をご用意しています。 一般的に、ワイヤメッシュフィルターは、通常のフィルターを損傷するような特大サイズの固形粒子を捕捉するために適用されます。 また、粘性流体用途の粗フィルターとしても有用です。