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溶接ヒュームコレクターに期待するもの

重要な質問に回答いただくことで、運用にあった最適な技術を提案します。

溶接ではヒュームが発生し、ばく露の危険をもたらします。 作業スペースを適切に換気することで、ばく露レベルを大幅に低減することができます。 ファンを使用したり、窓を開けたり、屋外で溶接したからといって、溶接作業員を適切に保護できるわけではありません。 米国産業衛生専門家会議(ACGIH)によると、汚染物質が施設全体に拡散する前に、発生源付近でヒュームを捕捉するには、自然換気よりもヒューム排気装置(集塵機またはヒュームコレクターとも呼ばれる)の方が優れていると言われています。

まったく同じ溶接設備というものは存在しませんが、以下の質問に回答することで、最も適切なヒュームコレクターを選択することができます。

粉塵やヒュームの危険性は何ですか?

まず、原材料とプロセスを分析することにより、運転中に発生し得る燃焼リスクを理解する必要があります。 この分析のガイダンスは、全米防火協会(NFPA)の規格652および484に記載されています。 多くの地方自治体がこれらの基準を義務化しており、OSHAの検査官も実施していることは周知の事実です。 NFPA規格652では、粉塵の危険性分析を完了し、可燃性の粉塵軽減計画を実施するための期限を2020年9月7日に設定しています。 危険性を特定したら、各施設に最適なヒューム排気戦略を策定できます。

サンディエゴのWorkshops for Warriorsには、ソース抽出アームを備えた複数の溶接ステーションがあり、中央に設置したDonaldson Torit® Downflo®オーバル集塵機に接続されています。
貴社施設における溶接ヒュームの発生量はどのくらいですか?

次に、運転のデューティーサイクルと、ヒュームコレクターが処理する粒子量を決定する必要があります。 通常運転時、年中無休で運転していますか、または8時間連続で溶接していますか? その場合、おそらく大量の溶接ヒューム粒子が発生していると考えられるため、連続運転を実施し、セルフクリーニング機構を備え、長寿命フィルターを搭載することでダウンタイムを最小限に抑えることのできるヒュームコレクターをおすすめします。 ロボット溶接でも、同じ要件で大量の溶接ヒュームが発生しています。

一方、通常は手動溶接を行い、溶接ステーションを断続的にのみ使用する場合、小型のポータブルヒュームコレクターが最適であり、 必要に応じてオンとオフを切り替えることもできます。

局所ヒュームコレクター
どの排気方法が最も効果的ですか?

溶接ヒュームの発生場所、そして機器の配置に関する貴社施設の制限事項等を特定します。 理想は発生源付近でヒュームを除去することです。 ソース(発生源)ヒューム排気とは、各溶接ステーションに独自の集塵フード、抽出アーム、またはワークベンチを設置して、作業で発生するヒュームを捕集することを言います。

ただし、設置条件により発生源での集塵ができない場合があります。 天井クレーンがある、床面積が限られている、またはダクト作業スペースがない場合、外気の抽出方法が制限される可能性があります。 この方法では、溶接サイトで捕集装置は使用することなく、むしろ、外気集塵機を使うことでエリア全体を吸煙することができます。

別途考慮すべき点として、レイアウト変更を頻繁に行うかどうかです。 大気抽出はレイアウト変更時に再構成が不要な場合もありますが、ソース抽出では溶接装置とともに移動する必要があります。

中央ヒュームコレクター(屋外)
機器はどこに配置しますか?

ソース回収を選択した場合は、溶接ステーションとの関連で機器のレイアウトを決定する必要があります。 ワークステーションが分散している施設では、1台の集塵機が1つの溶接作業または溶接ステーションに接続されている局所配置がおすすめです。 各溶接ポイントには独自の排気装置が備えられているため、各ワークステーションに直接隣接または近接して配置できる小型の排気装置を選択するのがよいでしょう。

施設によっては、中央配置が最適な場合もあります。 中央配置では、集塵機1台で複数のワークステーションをカバーし、ダクトのネットワークを介して各ステーションと排気装置を接続します。 通常、こうしたレイアウトでは、中央集塵機は溶接点からある程度離れた場所に配置されます。溶接部付近の床面積が限られている場合に適したオプションといえるでしょう。

最適なフィルトレーション装置はどのタイプですか?

溶接プロセス、施設内の制限、排気目的を特定したら、次に排気装置を選択します。 排気装置は、汚染空気を吸い込み、粒子をフィルトレーションして取り除き、フィルトレーションされた空気を屋外または場合によっては屋内に排出します。 排気装置に沈殿した粒子は、廃棄物容器に回収されます。

Donaldson Torit® Downflo®カートリッジ集塵機

排気装置には、カートリッジまたはフィルターパックの2種類のフィルター様式があります。 フィルターは、ヒューム粒子を捕捉するコンポーネントです。 いずれのフィルターもしっかりと機能するため、どちらを選択するかは、機器の設置場所と、局所または中央集塵機のどちらを選択するかによって決まります。

カートリッジシステムには、さまざまなデザインとサイズがあります。 プリーツフィルターは簡単に交換でき、コンパクトな設置面積で最大の粒子捕集容量を実現します。 このカテゴリに該当するのは、ドナルドソン製品のDownflo®集塵機です。

DonaldsonTorit® PowerCore TG

フィルターパックシステムは、たとえば、ロボット溶接セルの隣りにある局所排気装置として機能したり、メーカーによって溶接装置と連動するように統合されています。 Donaldson Torit® PowerCore® TGはこのカテゴリーに該当します。

ドナルドソンのヒュームコレクターには、通常セルフクリーニング機能が搭載されており、運転中に圧縮空気がフィルターをパルスクリーニングして、フィルターの寿命を延ばします。 この機能には圧縮空気源が必要となります。

ドナルドソンのUltra-Web®ファインファイバーフィルターなど、サブミクロン溶接ヒューム用に設計されたフィルターを使用するのが最適です。 メディア表面に粉塵を捕捉し、パルスクリーニングシステムにより簡単にダストを払い落とすため、フィルターの寿命を延ばすことができます。

Ultra-Web®技術を採用したカートリッジフィルター
その他のベストプラクティス

下記に2つの推奨事項をご覧ください。貴社の用途に最適なヒュームコレクターの選定にお役立ていただけます。

  • 溶接作業の担当者をシステム設計に携わらせます。 抽出アームなどの捕捉装置は、操作しやすく、作業員が部品を移動させる際に調整できる十分な長さが必要になります。 現場作業員の意見を事前にヒアリングすることで、現場の需要に合ったシステムを開発することができます。
  • ヒューム排気の専門家がサポートします 不確定要素が多数混在しているため、知識のある専門家に相談して、運転分析と理想的なソリューションの設計をサポートしてもらいましょう。 ドナルドソンの担当者がプロセスをご案内します。

用途に最適なソリューションを見つけられるようお手伝いします。

アメリカ溶接協会(American Welding Society)、安全と健康のファクトシート36: 『Ventilation for Welding and Cutting』
Actions and Reactions: Combustion Dangers in Metals Manufacturing』 ドナルドソン、製品市場マネージャー、Karen Wear、The Fabricator

 

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