産業用集塵機フィルターの進歩に関する多くの記事が発表されてきましたが、その大半はカートリッジフィルターを使用した集塵機をテーマにしています。カートリッジを使用した集塵機には多くのメリットがありますが、北米拠点の多数の施設では、依然としてバグハウスを購入して運用しています。本稿では、こうしたバグハウスの所有者や作業員のフィルトレーションニーズに対応します。
バグハウスフィルターはさまざまな素材で作られています。集塵機に流れる気流が275°Fを超える場合は、P84、アラミド、ライトンなどの素材を使用できます。ドライヤーからの気流に水分が多く含まれている場合や、気流が高酸や高アルカリの状態にある場合は、ポリプロピレンが選択技の一つとして考えられます。しかし、これらの用途はそれぞれ特殊であり、特殊な素材のバグが必要となります。
ほとんどのケースと用途において、標準的なポリエステルがバグハウスのフィルターメディアとして使われています。ポリエステルは空気を効果的にフィルタリングし、十分な耐用期間を持ち、初期導入コストも抑えられるからです。バグハウスの性能をより高め、しかも経済的に実現できるもう一つのタイプのポリエステル製バグフィルターに、水流交流ポリエステル製のバグがあります。
Dura-Life™ポリエステルファブリック集塵機バグハウスバグは、バグハウスの性能向上を目的として一般的な用途に使用されるものです。これらのバグハウス用バグは、従来のポリエステル製メディアよりも清浄な空気を供給し、フィルター寿命を延ばします。これはニードリングを必要としない独自の水流交流製造プロセス採用しているためです。ニードリングはメディアに大きな細孔を発生させるため、粉塵が入り込みやすく、清掃を妨げ、フィルター寿命を短くしてしまいます。Dura-Lifeポリエステル製バグフィルターは、大半の主要メーカー製バグハウス集塵機に適合し、性能を改善します。
スパンレースポリエステルフィルターのメリットは次の通りです。
1. より均質なフィルターメディア
ほとんどの標準的なポリエステル製バグフィルターは、ニードリングプロセスで製造したフェルトでできています。このプロセスでは、多数の返し付きのニードルがメディアファイバーの層を上下に高速で移動し、ポリエステル繊維同士を絡ませてフェルトを形成します。
1976年、デュポン社は、微細なウォータージェットで繊維を絡み合わせる新しいプロセスを導入しました。この水流交絡法(スパンレース法)では、一般的なニードルフェルトポリエステルよりも細孔が小さく耐久性に優れ、均質な素材を製造できます。このようなフィルター製品は、水流交絡布、スパンレース、スパンレース不織布と呼ばれています。
2. 長いフィルターライフ
水流交絡スパンレースバグフィルターを使用したバグハウスで粉塵をフィルトレーションすると、バグの外側表面で捕集される粉塵の割合は、標準ポリエステル製バグフィルターの場合と比較して、大幅に高くなります。この現象は表面捕集として知られています。バグ内の空気の逆パルスによってバグから粉塵を払い落とす際は、表面で捕集した粉塵がバグから容易に払い落とされ、バグハウスホッパーに落下します。効果的にパルスとフィルターの洗浄をするほど、バグを通過する風量が改善します(圧力損失が低下します)。適切なエアフローとは、バグハウスが空気中の粉塵を適切にろ過し続けることを意味します。
一方、ニードルフェルト製のフィルターは、水流交絡ポリエステルバグほど細孔の大きさや構造が均一ではありません。サイズの大きな細孔が数多く含まれていることが多く、そのためこれらのバグで捕集された粉塵は濾布の深部まで侵入する傾向があります。これはデプス捕集と呼ばれ、バグフィルターの清掃時、パルスクリーニングによる粉塵の払い落としが非常に難しくなり、バグが汚れて風量が制限され、圧力損失が大きくなり、急激に上昇します。
これらの結果は加速ラボ試験で得られたもので、現場試験の結果と相関があります。水流交絡ポリエステルは、圧力損失が原因でバグを交換する場合に、標準的な16オンス(453.6 g)のポリエステル製バグフィルターの2~3倍の寿命が得られることが示されています。
ラボと現場の結果では、表面捕集とパルスクリーニングの優位性によって、水流交絡バグの方が長持ちすることが一貫して示されています。実際、水流交絡バグは、標準ポリエステル製バグフィルターより2~3倍長持ちすることがわかっています。
3. 排出量の削減
前述の圧力損失グラフを見ると、空気が水流交絡バグをより簡単に通過することから、粉塵もこれらのバグを通過しやすいのではないかと考えるかもしれません。実際はそうではありません。2.5ミクロン以下の粒子の場合でも、水流交絡バグフィルターからの粒子の排出は、ニードルフェルトバグフィルターと比べて最大30%少なくなります。繰り返しになりますが、これは、水流交絡ポリエステルでは細孔が小さく均質性が高いためです。バグハウスを使用して施設を清潔に保ち、EPA排出基準を満たす上で、工場長に大きなメリットをもたらす可能性があります。
これらのフラットシートの結果は、独立ラボで実施した2.5ミクロンの粒子に対するASTM D 6830 - 02での試験に基づくものです。
4. エネルギーコストの削減
水流交絡バグの表面捕集と圧力損失低下によるもう1つの利点は、バグハウスを通して空気を引き込む際に使用されるファンエネルギーを低減できることにあります。バグフィルターの制限が少ないため、ファンのエネルギーを抑えることができるのです。また、ファンにEISA準拠のモーターを装備し、可変周波数ドライブを使用している場合は、年間省エネ効果が非常に高くなります。以下の例は、484個のバグを備えた集塵機1台で水流交絡バグを使用した場合のエネルギー消費の削減が、年間6,000ドルを超えることを示したものです。当然、施設の集塵機の台数が多いほど、省エネ効果も高くなります。
ニードルポリエステル製バグの清浄空気側(300倍)
水流交絡ポリエステル製バグの清浄側(300倍)
上記の写真は、フライアッシュをフィルトレーションしている集塵機で使用されているバグメディアを、走査型電子顕微鏡で撮影したものです。バグは2,700時間使用後に取り外され、流入空気の比率は4.5対1でした。2,700時間稼働後の圧力損失は、ポリエステル製バグで6インチ(152.4 mm)、水流交絡バグで2インチ(50.8 mm)でした。
5. メンテナンスコストの削減
工場作業員が最も嫌う作業の1つは、バグハウスのバグフィルターの交換です。これは、粉塵が舞う汚れる仕事であり、場所や季節によっては非常に暑い中や寒い中で行う必要があります。不快な作業であることに加えて、バグハウスを所有する会社にとってはコストもかかります。バグフィルターの交換中はバグハウスを停止する必要があるため、通常は工場が稼働していない時期に実施します。そのため、週末手当や休日手当が発生し、プロジェクトのコストが増大します。
現場での経験から、過度に高い圧力損失が原因で交換する場合、水流交絡バグフィルターは、ニードルフェルトポリエステル製バグよりも長持ちすることがわかっています。水流交絡バグがニードルフェルト製バグよりも長く使用できると仮定し、人件費やバグのコストを考慮すると、484個のバグを備えたバグハウスで水流交絡バグを交換するたびに、工場はコストを削減できる可能性があります。繰り返しになりますが、複数のバグハウスを設置した施設であれば、短期間で大幅なコスト削減を達成できます。
依然として多くの企業が、施設を清潔に維持するためにバグハウスを使用しています。Dura-Lifeポリエステル製バグフィルターなどの水流交絡フェルトのバグハウスバグを使用すれば、工場管理者は施設をより清潔に保ちつつ、エネルギーとメンテナンスのコストを削減できます。
参照
- Kamath, M.G., Dahiya, A., and Hegde, R.R.(2004, April). Spunlace (Hydroentanglement)
- Rupp, J. (2008, July/August). Spunlace or Hydroentangled Nonwovens
- Gupta, H. (2013 April). Spunlace Technique (Hydroentanglement: A Technique of Non-woven Production)