米国および海外の食品・飲料加工メーカーは、食品安全性に関する最も厳しい基準の下で事業を展開しています。食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)、国際食品基準(International Featured Standards、IFS)、Safe Quality Foods(SQF)、英国小売業協会(British Retail Consortium、BRC)、3-A Sanitary Standards, Inc.(3-A SSI)が規定する各標準や基準を満たす必要があり、違反すると、生産停止を命じられる危険があります。
特に評価が厳しくなったのは、食品加工業界における無菌圧縮空気と調理用スチームの使用の2つの分野です。さまざまな基準の内容は言語によって多少違いはあるものの、その核心は、メーカーと消費者を保護することにあります。
業界基準を把握し、準拠することは、業界内そして自社施設内の圧縮空気と調理用スチームの役割を理解するということです。
滅菌圧縮空気:3段階フィルトレーション
高純度の圧縮空気は、食品成分への活用、食品保存(汚染物質の侵入防止)のための与圧エアへの利用、さらには粘性ある物質の配管移送、袋詰め/包装、コンベア上の残存物の除去、製造工程内にある機器あるいは食品の塵といったブロワーなど、さまざまな場面で使用されています。
フィルタリングされていない圧縮空気は、微粒子、油と水のエアロゾル、バイオバーデンを含有しています。これらの汚染物質は、製品の安全性と均一性を確保するために、製造プロセスから除去する必要があります。それでは、圧縮空気をフィルタリングするにはどうすればよいでしょうか?
図A - 推奨される圧縮空気フィルトレーション
長年にわたるエンジニアリングとテストの結果、さまざまな使用箇所でオンデマンドの高純度圧縮空気を生産するには、3段階のフィルトレーションシステムが適していることが明らかになりました。3段階システムによって、業界基準の除去効率を達成すると同時に、高価な滅菌フィルターの交換を最小限に抑えることができます。(図Aを参照)
フィルター#1は比較的目が粗いもしくは「ゆるい」構造の濾材で構成する必要があります。その結果、冷凍式ドライヤーの後のラインに頻繁に混入する大量の水分や錆を除去できます。目が粗い濾材を採用することで、フィルターの早期目詰まりを防止します。高性能なフィルターは、結合剤を使わない繊維状の濾材を使用しており、撥水性(疎水性)と撥油性(疎油性)を兼ね備えています。これにより、フィルターは水を素早くはじき、より低い圧力損失で高い流量を生み出し、エネルギー消費を最小限に抑えることができます。
フィルター#2は残りのすべての水と油のエアロゾル、さらには最初のフィルターを通過してしまった粒子をすべて除去する必要があります。2番目のフィルターは1番目のフィルターよりも高い捕捉効率を必要とするため、理想的なフィルターとしてはプリーツメディア構造を組み込む必要があります。プリーツ構造は、メディアの表面積を大きくし、プリーツのない濾材と比較して汚れを捕捉する面積を増やすことで、圧力損失を減らし、長期間の使用を可能にします。
フィルター#3は微生物を捕捉し、スチーム滅菌の過酷な条件に確実に耐えられるように設計されています。PTFEメンブレンまたはホウケイ酸塩で作られたフィルトレーションメディアは、スチームに対する耐性が高く、また耐用期間を通して細菌捕捉構造を維持できるよう非常に精密に制御できるため、通常は最良の選択肢となります。このフィルターは汚れや油に対応しないため、多くの滅菌サイクルに耐えられるバージョンを選択してください。このサイズの粒子の捕捉は最も難しいため、0.2ミクロンで99.9999998%を超える定格のフィルターを採用します。
調理用スチーム:2段階フィルトレーション
食品加工業では、調理のためにスチームを食品に直接注入したり、食品製造工程で使用されるタンク、ミキサー、コンベヤーなどの機器を洗浄・殺菌するために間接的に使用したりします。料理用スチーム(Culinary steam)は、3-A Accepted Practice 609-03 によって「混入した汚染物質を含まず、食品、その他の食用製品、ならびに製品接触面に直接触れる用途に適したスチーム」と定義されています。
主な安全上の懸念は、濾過されていないスチームにはさびやほこりなどの汚染物質が含まれている可能性があり、それらが食品に混入してしまうことです。残念ながら、主な汚染源はしばしばスチーム生成プロセスそのものであり、特に余剰スチームが凝縮され、再循環され、プロセスで再利用されるシステムではその傾向が顕著です。この「再循環した凝縮水」は、パイプスケールや浮遊固形物、再循環システムのポンプによって排出された油や金属片などで汚染されている可能性があります。使用前にスチームをフィルタリングしないと、これらの汚染物質が食品に侵入する可能性があります。では、調理用のスチームを生成するにはどうすればよいでしょうか?
図B - 推奨される調理用スチームフィルトレーション
調理用スチームフィルトレーションシステムには2つの重要な段階があります。プレフィルターまたはエントレインメント分離器と、最終的な調理用スチームフィルターです。(図Bを参照) 使用箇所に設置されるフィルターハウジングは、窪みや隙間などの欠陥がないようにステンレス鋼で設計されており、調理用スチーム生成には理想的です。調理用スチームの濾過は、すべての使用地点に設置すべきです。というのも、最終フィルターより下流の配管は、汚染物質がシステム内に入り込む追加のリスクを生み出す可能性があるためです。
フィルター#1は、通常、スチームプレフィルターまたはエントレインメント分離器と呼ばれ、生産ラインの流入スチーム源から10ミクロン以上の粒子をすべて効果的に除去する必要があります。
フィルター#2は、使用地点の調理用スチームフィルターとして使用され、2ミクロン以上の粒子を95%除去する必要があります。
さらに、調理用スチームをフィルタリングすることで、工場のメンテナンスコストを大幅に削減できます。フィルタリングされていないスチームは、熱交換器を汚れが覆い、不必要な断熱効果を生み出すことがあります。その結果、熱伝達が遅れ、生産時間が延びてしまう可能性がありす。適切なフィルトレーションシステムは、ポンプ、バルブ、その他の機器を摩耗させ、早期故障の原因となる汚れ、さび、スケールを取り除きます。
消費者と製品の安全基準への関心が高まるにつれ、世界中の食品・飲料メーカーは、各施設内の食品安全基準や安全プロセスへの関心が高まると考えています。生産プロセスが最新の規制に準拠していることを確認し、お客様の顧客やお客様自身のビジネスを保護することで、こうした懸念を抑えることができます。
現在お使いの圧縮空気/調理用スチームのフィルトレーションシステムが最新の基準を満たしているかどうか確認されたい場合は、食品・飲料業界に精通したフィルターのプロ、ドナルドソンまでお問い合わせください。当社は、旧システム、老朽化したシステム、規格不適合システムなどを特定し、関連するすべての基準を確実に満たす滅菌圧縮空気または調理用スチームシステムの設置をサポートします。
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