フィルター寿命を延ばし、エネルギーを節約するために

初期の集塵システムでは、さまざまなエアフローから粉塵を分離するためにパッシブフィルトレーションを行っていました。集塵機のフィルターに徐々に粉塵が溜まり、システム全体のエアフローが許容レベル以下になるほどの抵抗が生じるようになるまで、フィルター全体の圧力損失が時間の経過とともに増加していました。その後、システムを元のエアフロー状態に戻すために、フィルターを取り外し、廃棄し、きれいなフィルターを取り付ける作業が必要でした。(きれいなフィルターにすることで、システムの圧力損失は低い状態に戻ります)

集塵技術の重要な進歩は、フィルターを集塵機に取り付けたまま再生できる“アクティブクリーニング”が開発されたときに起こりました。長年にわたり、メカニカルおよびリバースエアの両方を含むさまざまなアクティブクリーニングの方法が集塵機に適用されてきました。その方法ごとに、フィルタークリーニングでの異なる成果を収めました。各方法の目的は、蓄積された「ダストケーキ」をフィルターの表面から取り除くことによりフィルター全体の圧力損失を減らし、フィルター寿命を延ばし、フィルターの実質的な交換周期を延ばすことでした。

メカニカルクリーニング

メカニカルクリーニングは、アクティブクリーニングのローテク型として早くから業界に導入されていました。メカニカルクリーニングでは、蓄積したダストケーキを取り除くためにフィルターに振動を与えます。このクリーニング方法により蓄積した粉塵の一部は定期的に除去され、フィルター寿命を延ばすことができました。メカニカルクリーニングシステム(図1および2)には、手動(フィルターを振動させたり傾けたりする手動レバーまたはフットレバー)または自動(フィルターを振動させたり揺らしたりするモーター駆動デバイス)があります。この方法はパッシブクリーニングよりは改善されていましたが、クリーニングの前にシステムを通るエアフローを遮断する必要があったため、効率にはまだ限界がありました。集塵機が停止するパターンは間欠的なクリーニングシステムに分類されます。クリーニングは集塵機を停止したときにのみ実施され、すべてのフィルターは同時にクリーニングされます。したがって、システム内のエアフローは、クリーニング後に圧力損失が減少(エアフローが増加)し、時間の経過とともに圧力損失が再び上昇(エアフローが減少)するパターンを示します。全体的に、クリーニングシステムの性能は集塵機を停止できる頻度に大きく依存していました。

 図1 - 手動ペダルのクリーニング 図1 - 手動ペダルのクリーニング
 図2 - メカニカル振動のクリーニング 図2 - メカニカル振動のクリーニング

リバースエアクリーニング

リバースエアクリーニングでは、フィルトレーションされた空気の反対方向からのエアフローが導入されました(図3)。リバースエアフローは、フィルターの清浄側からフィルターを通り抜け、フィルター表面のダストケーキを払い落とします。ファンと圧縮空気の両方を含む複数の方法を用いることで、リバースフローは実現しました。

低圧から中圧のリバースエアクリーニングシステムでは、通常連続稼働のファンを使用して、フィルトレーションされたエアフローとは逆方向に大量の低圧空気を噴射します。(図4)。リバースエアフローでは、クリーニング工程でフィルターの表面からダストケーキを払い落とします。

図3 - 通常のエアフローとクリーニングサイクルのエアフローとの比較 図3 - 通常のエアフローとクリーニングサイクルのエアフローとの比較

通常、リバースエアのファンは継続的に稼働し、一部のフィルターのみがクリーニングされていました。このクリーニング方法では、実際のフィルタークリーニング工程で集塵機を停止する必要がなかったため、連続稼働システムと見なされるようになりました。  

パルスジェットクリーニング

現在多くの集塵機で使用されている一般的なリバースエアクリーニングの形式は、パルスジェットといいます。このクリーニング技術では、フィルトレーションされたエアフローの逆方向に「パルス」されたリバースエアフローを使用します。クリーニング用空気のパルスはフィルターを膨張させる傾向があり、フィルター上のダストケーキを機械的に壊し、フィルターから払い落とします。パルスの空気圧は、特定のクリーニングシステムの設計に応じて、中(通常は15 psig未満)から高(60~90 psig)までの範囲で変動します。(図5および図6参照)パルスジェットクリーニングは、フィルターメディアのクリーニングに非常に効果的であり、連続稼働システムとも見なされています。

図4 - リバースエアファン 図4 - リバースエアファン
 図5 - 中程度のクリーニング 図5 - 中程度のクリーニング
 図6 - 圧縮空気のクリーニング 図6 - 圧縮空気のクリーニング

連続稼働、または「オンライン」クリーニングは、クリーニング中に一次エアフローを乱さないという利点があり、実際のクリーニングサイクル中でも集塵機を作動させることができます。常にクリーニングされているのは数本のフィルターのみですが、システムによって最終的にすべてのフィルターがクリーニングされます。低圧リバースエアシステムのように、100%稼働するクリーニングシステムもあります。その他のシステムは、測定されたフィルター条件(圧力損失)に依存し、圧力損失が特定の高い設定点に達するまでクリーニングを開始しません。時間の経過とともにフィルターの粉塵の負荷が増加すると、圧力損失に依存するクリーニングシステムは、粉塵の負荷の増加やフィルター交換時期が近づくことにより、一定のクリーニングサイクルを実行し始める回数が増える可能性があります。 

パルスジェットクリーニングは、クリーニングシステムの効果を最適化するために長年にわたり改良されてきました。当初、圧縮空気のパルスはフィルターに向けられただけでしたが、エネルギーの勢いが大きくなるほどフィルターからたくさんの粉塵が払い落とされるため、力強い圧縮空気のおかげでクリーニングレベルはファンよりも高くなりました。この工程は、集塵機の2次側プレナムにブローパイプ(ノズル)またはジェットチューブを追加することで、再び改良されました。ブローパイプはパルスのエネルギーをフィルターに集中させるため、または管理するために使用されました。 

別の改良事項として、2次側プレナムにベンチュリを追加しました(図7)ベンチュリによって、圧縮空気が集塵機の清浄側に流れる方法、クリーニング空気のパルスに空気が追従する方法、クリーニング空気が実際のフィルターの清浄側に通り抜ける方法が変化します。ベンチュリによりフィルターへの圧縮空気の流れが誘導され、クリーニング力が最適化されました。 

図7 - ブローパイプとベンチュリ 図7 - ブローパイプとベンチュリ

高度なパルスエネルギークリーニング

高度なパルスエネルギーは、パルスクリーニングが進化したものであり、PowerCore®フィルター技術の追加により初めて導入されました。PowerCoreエレメントはコンパクトで効率的に設計されたフィルターであり、これによりパルスクリーニングシステムが改良され、高い負荷に対応し、システムの異常から効率的に回復するフィルターが実現しました。この実現に貢献した1つの方法として、圧縮空気を成形し、エアフローの制限やエネルギーの浪費をせずにフィルターに接触するパルスエネルギーを最適化するパルスアキュムレーターがありました(図8)。別の技術には、ゼロターンパルス設計を使用してフィルターへの圧縮空気の方向を制御および最適化する方法があります。パルスは、最大のクリーニングエネルギーでフィルター濾材を直線的な経路で流れ(図9)、ひだ折りされたチャンネルから粉塵を容易に払い落とします。

図8 - コンパクトなパルス形状 図8 - コンパクトなパルス形状
図8 - コンパクトなパルス形状 図8 - コンパクトなパルス形状

結論

集塵業界におけるパッシブフィルトレーションからアクティブクリーニングへの移行に伴い、集塵機で使用されるさまざまなクリーニングシステムが開発されました。オンラインクリーニング、パルスジェット技術、新しいPowerCoreフィルターの設計により、クリーニングシステムが改善されました。フィルタークリーニングの最適化によりフィルター寿命を最大限に延ばし、必要なエネルギー量を最小限に抑えて最良のクリーニングサイクルが実現されました。集塵機のオーナーと作業員にとって喜ばしいことです。お使いの集塵機のクリーニング技術が効果的でない場合は、詳細および費用の節約方法についてお近くの集塵機メーカーにお問い合わせください。