急速に進化するエンジン技術や油圧技術に求められる清浄度を満たすため、高効率のフィルトレーションシステムに対する需要が高まっています。ドナルドソンの燃料、オイル、クーラント、バルク流体、油圧のフィルターは、現代の機器メーカーが要求する厳しい性能基準を満たすように設計されています。
では、業界ではフィルターの性能をどのように測定しているのでしょうか。ここでベータ値が重要となります。
ミクロンサイズでは不十分な理由
多くの場合、フィルターの定格はミクロンサイズで表されます。1ミクロンとは、100万分の1メートル、つまり細菌の中でも小さいサイズに相当することを覚えておいてください。フィルターが10ミクロンの粒子を捕捉するということを知っていても、そのフィルターが10ミクロンの粒子をどれくらいの効率で捕捉しているのかを知らなければ、意味がありません。
たとえば、トイレットペーパーのロール紙は10ミクロンの粒子を捕捉しますが、その割合はどれくらいでしょうか?効率性の一貫した基準がなければ、ミクロン定格だけではほとんど意味がありません。
ベータ値の登場
混乱を避けるため、各フィルターメーカーはベータ値を用いて、フィルターとメディアの性能を表しています。
このISO試験では、パーティクルカウンターを使用し、ISO試験用の粉塵が添加された流体を試験します。流体がフィルターを通過する前と後に、特定のサイズの粒子を数えます。ベータ値はフィルターの汚染側である上流にある粒子数と、フィルターの清浄側である下流にある同じサイズの粒子数との比率を示します。
単純に、ベータ値が高いほど、特定のミクロンサイズにおけるフィルターの効率は高くなります。
誰かに「5ミクロンのフィルター」を求められたら、次にすべき質問は「ベータ値はいくつ?」です。
たとえば、
- ベータ値が1000の5ミクロンのフィルターは、同サイズの粒子においてベータ値が2のフィルターよりもはるかに効率的です。
ISO 16889には、一般的なベータ値がいくつか記載されています。
| ベータ値 | フィルターを通過する特定のサイズの粒子の数 | 実際のフィルター効率 |
|---|---|---|
| 2 | 2粒子ごとに1粒子 | 50% |
| 10 | 10粒子ごとに1粒子 | 90% |
| 20 | 20粒子ごとに1粒子 | 95% |
| 75 | 75粒子ごとに1粒子 | 98.7% |
| 100 | 100粒子ごとに1粒子 | 99% |
| 200 | 200粒子ごとに1粒子 | 99.5% |
| 1000 | 1000粒子ごとに1粒子 | 99.9% |
| 2000 | 2000粒子ごとに1粒子 | 99.95% |
それぞれのベータ値は、フィルターが特定のサイズの粒子をどれくらい捕捉するかを示しています。
例えば
シャツの袖でビー玉を濾過していると想像してください。シャツの袖では、ビー玉サイズの粒子のベータ値は2000を超えるかもしれませんが、タルカムパウダーのように微細な粒子ではベータ値が2を大きく下回るかもしれません。
特定のサイズにおける効率が分からなければミクロンサイズがほとんど意味をなさないのと同じように、効率やベータ値も、関連する粒子のサイズが分からなければほとんど意味をなしません。
上の図に示すフィルターでは、5ミクロンサイズの粒子10個の内、通過できるのは1つの粒子のみです。したがって、このフィルターは5ミクロンの粒子に対してベータ値10になります。
重要である理由
重要なのは、ミクロン定格とベータ値または効率を用途に合わせることです。理由は次のとおりです。
- 必要以上に密度が高く効率的なフィルターを使用すると、エレメントの使用可能期間が短くなったり、圧力損失が増加したり、さらには流体から重要な添加剤が除去されたりする可能性があります。
- 効率の低いフィルターを使用すると、エレメントの使用期間は延びるかもしれませんが、その代わりに多くの汚染物質が通過してしまい、重要なコンポーネントを損傷する可能性があります。
最終的な見解
適切なベータ値を理解し、指定することで、フィルトレーションシステムが意図したとおりに機能するようになり、機器を保護し、機器をより長く使用することが可能になります。